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人物の描き分けと関西弁

 なるべく登場人物を少なくして、しかも、その少ない登場人物も一度に出てこないようにする。
 これが、素人の小説書きとしては、かなり有効な手法だと実感したのは、『xxxy』を書いていたときでした。何しろ、主要登場人物はたったの4人。しかも、その4人が一同に会するシーンは1回もなくて、3人が集まるシーンが何回かあるだけですから、とても書きやすかったのを憶えています。そういう意味では、『xxxy』というのは、我ながらうまくできたなあ、と自分でも思います。
 もちろん、作品の質云々ではなくて、純粋に、書きやすかったかどうかという話ですが。
 それに比べて、今度の『呪遣いの妻』は、登場人物の数も多いし、3人以上が同時に出てくる場面もかなりありますから、テクニックを持たない素人作家に取っては、とても大変でした。
 登場人物が増えれば増えるほど、人物の描き分けが必要になってくるわけですが、どうしたらいいかって、正直、よくわかりません。きっと、それがわかれば、みんな苦労しないのでしょう。
 素人考えで言えば、登場人物にわかりやすい特徴をつけるのでしょうか。
 と言っても、小説の場合、絵も音もなくて文章と台詞だけですから、これで特徴をつけるのは大変です。
 例えば、「物凄い大男」という特徴を持たせたとしても、大男の絵は見えませんから、それを特徴として伝えるのは難しい。まあ、「大きい」ということを印象付けるようなエピソードをいくつも入れるぐらいでしょうが、こういうエピソードをひねりだすのって、結構大変なんですよね(ただし、そこで手を抜くと、小説は物凄く薄っぺらなものになってしまいますので、手を抜くわけにはいきません)。まあ、あとは、とにかく「大男」「でかい」という言葉を連呼するとか、そのぐらいでしょうか。
 ちなみに、『呪遣いの妻』では、「美少女」って言葉がやたらと出てきます。試しに、エクスプローラで検索してみたら、19章あるうちの13章で「美少女」って言葉を使っていました。特に、後半はほとんどの章で使っていますので、よほど「美少女」というのを印象付けたかったのでしょう。

 多分、登場人物の特徴づけで一番簡単なのは、台詞ではないかと思います。話し方を独特にすれば、その人物が喋るたびに特徴を出せるわけです。
 『呪遣いの妻』に出てくる「妻」の喋り方なんかは、かなり考えて、ああしました。当然、あんな喋り方をしたこともなければ、あんな喋り方をする人に会ったこともありませんでしたから、最初のころは、妻の台詞を書くのが大変でした。
 あとは、「京大娘」。
 登場人物を台詞で特徴付ける王道と言えば、何と言っても、関西弁です。関西弁の登場人物さえ出しておけば、取りあえず1人区別できたも同然です。と、みんな思っているのか、小説やマンガの中には、関西弁を喋る人間がかなりの確率で出てきます。特に、マンガの場合が顕著だと感じます。
 現代の日本を舞台にしたマンガの大半は、東京かその近郊を舞台としていると思われますが、物凄い確率で関西弁の人が出てきます。大学や会社であれば、身近に関西出身者が1人ぐらいいるのは、むしろ当然という気もしますが、中学や高校が舞台のお話でも、なぜか「関西から引っ越してきた」という子が出てきます。『生徒諸君!』でも、『スラムダンク』でも、『あずまんが大王』でも、出てきます(たまたまこの3つを思いついたのですが、他にも山のようにある筈です)。『ドカベン』の岩鬼なんて、神奈川県で生まれ育っている筈なのに、関西弁で喋ります。
 そういった故事に倣って、わたしも関西弁の登場人物を出してみたのですが、困ったのが細かい言葉遣い。どうやら、同じ関西弁でも、京都とか大阪とか、地域によって違うらしいのですが、わたしにはそこまで細かい違いはわかりません。適当に書いちゃうと「京都の女の子はそんな喋り方はしない」と言われそうだったので、大阪生まれの京都育ち、両親は神戸と奈良なので言葉はちゃんぽんになってる、ということにしました。ちょっと苦しい設定でしたが。
 あと、方言を書く場合、実際に発音されているままを書くと、よくわからなくなることがあるため、敢えて、わかりやすく直す場合が多いみたいですが、京大娘の台詞は、極力発音通り(というか、非関西人に聞こえる通り)にしました。理解していただけたでしょうか? 最悪、理解してもらえなくても、雰囲気が伝わればいいかな、というぐらいのつもりで書いていました。

 正直言うと、関西弁というベタなキャラクターを出すことに、少し抵抗がありました。誰でも思いつくお決まりのパターンっていう感じですし。
 本当は、京大娘が出てくる前の章で、地下鉄の痴女とか、ケーキ屋の店員とか、いろいろ出してみたのですが、いまひとつパッとしないので、関西弁という定番キャラに頼ることになりました。
 当初は05だけのつもりだったのですが、作者も気に入ったのか、後で何度も出てくることになりました。おかげで、彼女のために予定外の話を作らないといけなくなったり……。
 ある意味、このお話がこんなに長くなったのは、彼女のせいだと思います。

テーマ : 雑記 - ジャンル : 小説・文学

コメント

No title

もう見ました、面白いですね
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